博士号……私の就職の足枷になっているもの。
私の持っているのは、正式には 「博士(理学・○○大学)」と表記する。理学博士という表記が、私の前年度で改正された。改正された当初は、なんか、間抜けでいやだった。
英語では Ph.D. と略する。
Doctor of Philosophy の略。直訳すると 『哲学博士』。
正式な訳は、学術博士。
お医者さんのDoctorと区別するだけの意味。まぁ、すべての学問は『哲学』に通じるということなんだろうけど。
これまでの生活で、「安田(仮名)博士」などと呼ばれた経験は皆無。
なにやら、妖しげな雰囲気の特撮ものくらいでしか、そんな呼び方はしない。
(嫌がる私に、友人が飲み屋さんで呼びつづけることはあったが。)
ただ、英語では、Mr.の代わりが、Dr.になるので、Dr. Yasuda(仮名)と呼ばれたことは、幾度となく。
たいがい、そう、呼ばれる。
さて、この博士号ってやつ。取る前は、ある程度の能力の証明にはなるんだろうなどと思ってはいたんだが…。
なんというか、誰でも取れるということがわかって、初めて、取れるものだったと。
つまり、なんら、能力の証明にはならんということを知ってから、取れるものだった。
現役の頃は、知らなかったけど、こんな言葉が全国的に伝わっていた。
「博士号は、足の裏の米つぶである。」と。
そのこころは…
「取らんと気持ち悪いから取るけど、取っても食えん。」
……そのとおり。
普通の生活をしようとする者には、本当に足枷になるという事実は、あまり知られていない。
一般的には、誰でも取れるもんだとは知られてないから。