さて、最寄の駅から出た私に、お姉ちゃんが声をかけてくる。
女性に声をかけられるはずもないと思っている私は、自分のことと気付かずに
そのまま、歩き去ろうとしていると、
「すみませ〜ん」と止められる。
「はて?なんじゃろう」と私。
「私、○○○にある○○○という会社の○○○というものですが。」
なにか身分証明書のようなものを提示しながら、言うお姉ちゃん。
「はぁ。」
「○○○についてのアンケートを行っているんですが、」
「はぁ。」
「独身の方で、いらっしゃいますか?」
「………(うるさいわい。)」そこから、心の中で呪いの言葉が始まる…
「失礼ですけど、独身の方で、いらっしゃいますか?」
再度、同じ質問をするお姉ちゃん。
怒りというか、むかつきというか、うるさいわいというか、………と思う。
頭の中に、ひらめきが。
そして…
にっこり笑顔を浮かべて、お姉ちゃんに、こう、尋ねる。
「独身の方ですか?」
ひく、お姉ちゃん。
「…え、ええ。そうですが。」
「そうですか。じゃぁ、そこで、お茶でも飲みながら、お話しましょうか」
と笑顔で続ける私に、身の危険を感じたのか、
「いえ…。仕事中ですので…。」と言うお姉ちゃん。
「残念ですねぇ。それじゃぁ。」と歩き出す私。
なんだぁ、もう少し、遊んでくれてもいいのになぁ。
似たような手口として、日系人のフリをして、たどたどしいニホン語で、
逆に質問責めにするという手口は、若い頃に、やったことがあるが、
この「お茶に誘う」手口は、やったことがなかった。
オヤジになってきているのか…。
そんなこんなで、生きてます。