「踊れない踊りに、何か意味があるのでしょうか?」(美凪風に…)
などと書くと批判的なもの言いになるかのような気がするのですが、そんなことは決してないです。今回のOPにつながる話の展開、そして、いかにも京アニの総力を上げた「チアダンス」に、非常に素直に感動しましたよ。
そして、最後まで山本寛前監督の絵コンテ・演出のOPを大切に扱ってくれてた武本監督を始めとする現制作陣の心遣いに感動しました。
あのOPの「チアダンス」は、あたかも「らき☆すた」は、山本寛前監督がつくりあげたものだということの象徴であると言わんばかりの素晴しいシーンに仕上がっていました。
でも……。あのチアダンス、絶対に実際に踊れませんよね。
実際に踊ろうとすると、破綻をきたします…………いや、私が踊ろうとしたわけじゃないですからね……。
そこが、ハレ晴レとの大きな違いだと思うのです。
OPもそうだったのですが…
♪セーラーふく〜♪のところは、左から、ゆたか、みなみ。
♪だか〜ら〜でーす♪のところは、左から、パティ、ひより。
♪けーつろ♪のところは、左から、あやの、みさお。
♪おおおおん♪の際の並びかたは、左から順にあげますと
こなた、かがみ、つかさ、みゆき、みなみ、パティ、ひより、みさお、あやの、ゆたか。
どーやって、移動したんだ?
その並び方から、♪げつよ〜びなのに、機嫌悪いのどーするよー♪で、もうすでに、かがみとみゆきが前列右側に移動しており、つかさとこなたが前列左側に移動済み。。。。
仮に動けたとしても、対称性の破れたあまり全体として美しくない動きのような気がします。
う〜ん、瞬間移動しなきゃ、できない動きになってるんですよねぇ。
制作サイドがこの破綻に気が付いてないはずはないと思うのです。
…………というか、そもそも、山本前監督は、このチアダンスを実際に躍らせる気があったのかどうかということも疑問に思えてくるようなつくりになってるような気がしたのです。
でも、最初に書いたように、素直に、今回の話には、感動したんですから。はい。
かつて、「カリオストロの城」に続く劇場版ルパン三世の監督候補として押井守があがっていたことがありましたが、企画自体が流れてしまい、「バビロンの黄金伝説」になってしまったということがありました。それを思い出してしまいました。
それと同じように、幻なんですよね。山本寛前監督が完全に作り上げた最終回というものは。
あ…私がいちばん、ジーンときてしまったのは、実は、練習が終わって準備をみんなで眺めているところでした。まさか、「持ってけセーラー服」のインストがあんなに、しんみり、させられるとは思ってもみませんでした。
さて、ようやく最終回にして、私は、このアニメ版の「らき☆すた」の構造について理解することができたように思えました。本編に、あきら様が登場し、役柄そっちのけで、前回のらっきー☆ちゃんねるを引き摺ったままだったからです。らっきー☆ちゃんねるについては、私は、これまで一切、触れてきませんでした。どちらかというと、その構造が内包するものを嫌っていたからです。どこか、この構造自体を信じたくなかったという部分がありました。しかし、モロに劇中では初対面であるはずのあきら様と白石くんが、あんなに仲が悪そうにされてしまうと……認めざるを得なかったわけです。
その立場を認めてしまうと……あらためて、自分は、かがみやこなた達が本当に好きだったんだなぁ…この、らき☆すたを見ていた半年間というのを本当に楽しんでいたんだなぁ…と気が付くことができました。
すると、EDの白石パートも素直に受け止めることができました。EDというものの重要性を。我々視聴者を現実に戻すはたらきがあるという考え方も、今回、実感することができました。
私は、どちらかと言うと、かなり「一歩引いた」見方をしている方だと思っていましたので、そんなつくりにされてしまうと、その「隙間」が邪魔に思えている方だったもので。
あらためてEDのことについて気が付くことができたのは、その白石EDが、「愛はブーメラン」だったことも大変、大きかったんですけどね。
「いざ、現実に帰還せん!」な、わけで……。
だからこそ、今回の実際に踊ることが不可能なチアダンス…というものも、制作サイドがわざとやったことなのかなぁ…とも思ってしまうわけです。
さて、あたるが「いざ、現実に帰還せん!」と言って、戻った先は、どこだったのかと言いますと、「永遠に繰り返し続けられる文化祭前日」ではなく、彼が住む世界だったわけです。彼の住む世界…というのも、実は、延々と学年が進むことなく繰り返され続ける世界だったわけです。別にビューティフルドリーマーのラストで無邪鬼がいたからというわけではありません。別の劇場版「オンリーユー」だったか、「リメンバーマイラヴ」だったか忘れましたが、あたるの世界が変質してしまったことを現すために、「そうして俺たちは、3年に進級した」と表現される話があったはずです。
この「いざ、現実に帰還せん!」というものが、こなた達に向けられたものだったとしたら…どうなるのでしょうかと思いました。
これまで、このアニメ版「らき☆すた」は、月日がきちんと進行していく世界だったわけです。そして文化祭当日で最終回を迎えたわけです。しかし原作は……この辺りの時期から、季節ネタが少なくなり、かがみやこなた達は、ずっと受験学年を続けています。そんな世界へと帰還する…というのでしょうか。。。。ちょっと、考え過ぎですよね。
正直、私は、かがみやこなた達が大好きですから、この先、延々、月日が進行することのない世界でのかがみやこなたの日常をアニメで見せてもらえるならば、それはそれで、嬉しいと思います(無いとは、思いますけどね…)。サブタイトル「未定」ってのは、こんなところにもかかってたりして……、本当か?
とりあえず、らき☆すた全24話の視聴を完走することができました。
私の感想の方は、完走してませんけど……。
私の感想は、これまで、本当にいろんな方のところで、いろんな感想を読ませていただいたからこそ、今、こうして、このような形になったと思っております。
これまで、ありがとうございました。
そして、これからも、よろしくお願いいたします。
書いてない第23話のんとか、「その1」だけで放置されているようなのを片付けなきゃですね。。。。
最後になりますが……
第24話での原作消費量、0話。
らっきー☆ちゃんねる、0秒。
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