しかしながら、どーにも、私には合わなかったようです。キャラのイメージが壊れるとか偉そうなことを言うのではありません。もちろん、作られる方の発想(妄想と言ってもよいのかもしれません)自体はよくわかります。そのキャラのそういうことが見てみたい。や、その通りだと思います。しかし、そのキャラが内面では、実は
ピーであり、そして
ピーで、
ピーで、そして、
ピーであるため
ピーで、その結果として、あーんなことや、こーんなことを、こーんな風にやって、こーんなになってしまうと……。私には、そこまでの想像力がないみたいで、本当に、そのキャラがそうなのかと想像することができないのです。ですから、色んなジャンルのものを読んでみましたが、どーにも、そのキャラが実際の同人誌ではない本編の流れから、そうなるのか、そうするのかということにばかり注意が向いてしまい、楽しめないタイプの人間のようでした。
唯一、気に入った作品が「スクールランブル」ものの一つでした。各キャラが
ピーして
ピーしたあとの行動、展開が、原作の流れで容易に想像がつく、原作のノリそのままの工口同人誌でした。
そのキャラが本編の流れでしそうなことなら私は、納得できるみたいです。
例えば、ハルヒで言えば、古泉が
ピーであり、キョンに
ピーして
ピーして、キョンが
ピー、
ピー、やがて……てな展開なら私は納得できます(私が、それを見たいかどうかは別にして…)。
つまり、そのキャラがしそうなことなら、何でもオッケーということです。
以上のことは、私の考え方です。人によっては、そのキャラがしなさそうなことをさせることに意義があると主張される方もいらっしゃると思います。というか、大半の方がそういうのではないでしょうか。私が、マイノリティーっぽいです。はい。で、作品の良し悪しについて言っているのではありませんので。
話、変わって…某所のMAD映像で「こんなこなたはいやだ」というシリーズを見ました。本編映像を編集したものだったのですが、その中の一つで5月病のネタを編集したものでこんなのがありました。
「泉〜。なんや泉は休みかいな。」
「黒井先生、泉さんから電話です。」
「おう、泉。どないしたんや。」
「レバ剣、拾った」
「ごちゃごちゃ、言うとらんとさっさと出て来い!」
いやぁ、吹き出しましたねぇ。大笑いしたあと、気が付きました。
これは、「こんなこなたはいやだ」シリーズだということ。
こなたは「今日、5月病で休みます」と自分で電話をかけてくることはあっても、一応、きちんと学校へは出てきているんですよねぇ。そう考えると、面白いけれどもこの展開は、ありえない展開なんですよね。
さて、今回、サブタイトル「夏の定番」は、原作からとられたものではありません。これまでで初めてです。原作にあったのは「海の定番」すいか割りの話でした。海から夏に拡張されていました。夏の定番……海水浴に行く、怪談話をする、ナンパを期待する、ってところでしょうか……宿題もここに欲しかったところだと思いました……。
さて、今回の「らき☆すた」は、ものごっつかったですねぇ。荒谷朋恵さんの初脚本作。なんちゅー脚本をお書きになられるんですか、荒谷さんは。まず、原作消費量がこれまでで最少の16話。さまざまなネタ満載。AパートちょめちょめDは笑いましたよ。メーター40kmの法定速度で…。かがみの「何この、ちょめちょめD的な走りは。」というつっこみのあと、「ななこさんてさぁ、上手だよねぇ。車の運転…」て、まだ、ちょめちょめDが続いていたところなんてさらに吹き出してしまいました。BGMまでぽく作ってあるところもすごかったですし。それにも増して、京アニって、メカのCGも上手くなったんだなぁ、と感心してしまいました。KanonでCGがうまくなっていることは、十分にわかってたのですが、車を描かせると、よりTSRの頃との違いが浮き彫りになってくるというもの。そして、Bパート頭から帰りつくまでのオリジナル展開が長い長い。そして、すごいすごい。いろんな小ネタ満載で。そんで風呂場での「ナマな会話」……荒谷さん、恐ろしい脚本を……。
いやぁ〜、楽しかった楽しかった……。
し か し、
何だろう……腑に落ちない。何か、納得できない……。
オリジナル箇所の
「てぃもて〜。てぃもて〜。てぃもて〜。」
「すけきよでぇす。」「いぬがみけ〜」
笑ったんですが……。ここがひっかかる。
こなたは、こんな発想をする奴かと。
ゆい姉さんに「てぃもて〜」をやったあとのこなたの台詞「これだ。わたしの欲しかった反応はこれだ。」
こなたは悪く言えば自己中心的な発想をするやつのはずです。そんなこなたが、人のリアクションを期待した言動をとることがあったでしょうか。こなたは、人にどう思われようと、自分の言いたいことを言っていくというスタイルだったはずです。その結果、かがみに対しては「はいはい。どーせ、私はオタクですよ」などと言うこともしばしば。そんなこなたが、ひとのリアクションを求めるとは……。
「すけきよでぇす。」「いぬがみけ」のあとのこなたの台詞「おどかしがいがあるなぁ。」
こなたはリアルでの人との付き合いがこれまで希薄であったはずです。そのこなたが積極的にこれまで人に対して「いたずら」という形でも、接触をはかったことがあったでしょうか。それも、よりによって、かがみに対してではなく、つかさに対してです。そこまでして、ひととの接触をはかるやつでしょうか、こなたは。
そう考え始めるとみゆきさんに風呂場で石鹸を置いたことも、また、こなたが積極的に怪談話をすることにも違和感を感じます。
さらに、旅館に二泊するということに対して(原作では、一泊だと思われます)文句の一つもない。深夜アニメが見れないじゃないかという文句の一つでもあってよさそうじゃありませんか。
原作1〜4巻、そしてアニメ版1〜5話まで見直しをしてみましたが、やはり、この違和感を払拭できませんでした(ひとつだけ、みゆきさんにHRで逆らってみせるという話がありましたが…)。
……………悪く言えば、今回、こなたというキャラの把握ができていないのではないか…と思ったりしましたが…
今後、この方向でこなたというキャラをアニメ中で動かしていくつもりであるのならば、問題ないとは思います。そういうつくりの話としていくのであるならば。
また、以前、冗談で書いた「らき☆すたという話は、こなた、かがみの成長物語である」ととらえると、これもありなのかなぁとも思います。つかさ、みゆき、そしてかがみというリアルでの友人に囲まれて生活していくうちにこなたも人として成長していく。そして、かがみはこなたに影響されて、立派なヲタとして成長していく……。これもありだと思います。
ひょっとしたら、海にでかけたことで、こなたですら開放的になり、そんな行動をとったという可能性もあります。やけに、出発のときテンションが高かったですので。
なんか、現実のどたばたの結果、こんなことになった(脚本書ける余裕のあるひとがいなかったため急遽、荒谷さんが抜擢された)とかだったら、いやかなぁって思ったのが正直なところです。原作と違うということが悪いと言っているのではありません。アニメ版のこなたはこんななんだと理解していいのかどうかがわからないところが問題だと思うのです。
あと、原作を変則的な感じで細工していた箇所がありました。いったいいつの水着だの話の「あの頃のまま」という話。原作1話を二つの話に分けるという妙な手法でした。
原作
1コマ目「そのトシで海でスクール水着って聞いたことないぞ…」「そういうニーズもあるんだよ、かがみん」
2コマ目「大体、そういうニーズのひとは海なんてこないでしょう」
3コマ目 6−3泉
4コマ目 「い いったいいつの水着だ〜〜〜!?」
アニメ
1コマ目→3コマ目→4コマ目と話が進み、一旦、オチをつける。
その後、海岸に行った後に、「大体、あんた、運動神経いいくせに、なんで浮き輪なんてもってるのよ」から始まって、原作の2コマ目「大体、そういうニーズのひとは海なんてこないでしょう」でオチをつける。
非常にめずらしいつなげ方だと思いました。
また、今回、光の描写を綺麗に仕上げていたのが印象的でした。海岸にようやくたどり着いたところ、シャワーのところ、つかさが妄想にはいるところ…。あと、露骨な湯気のない風呂場の描写もなかなか、よかった……。
よもや「らき☆すた」で描写について褒める日が来るとは、思ってもみなかったです…。このあたりは、武本監督の手腕でしょうか。
その他というか、全体を通しては、非常に楽しかったです。Bパートの「ナマな会話」も含めて。例の「ナマな会話」は、見ているこっちが恥ずかしくなってきますが……それもアリかなと思いました。
しかし、みゆきさんを交えて、かがみにあの「ナマな会話」をさせて、もっと恥ずかしくなるのもアリだったかと……そこが、ちょっと残念。
…………こんな内容の同人誌なら、買ってしまうなと思った私がいます。………より深く同人誌のことが理解できたような気がしました。
しかし、山本さんの目指していたものの形は私にはわかりませんが、なんだか、それからは離れていってるであろうことが、ひしひしと伝わってきた今回の話でした。
以下、いつもの原作消費について
Aパート。
「保護者」 (Vol.1, 088) 二人とも結構ひまなんだねの話。原作まま。「立場と本能」 (Vol.1, 088) おーい、交通安全課!?の話。原作まま。「計算ちがい」 (Vol.1, 089) 両方はずれだったとはの話。多少、行き止まり、グラウンドに迷い込むという拡張あり。
イニD展開はオリジナル。「結果」 (Vol.1, 089) さて、旅館でも探そかの話。原作まま。「狙い撃ち」 (Vol.1, 090) こなたさん、それは、マジっすか?の話。原作まま。「あの頃のまま」 (Vol.1, 090) いったいいつの水着だの話。
改変あり。「海の定番」 (Vol.1, 091左) すいか割りの話。
フルメタネタはオリジナル。「眼鏡っ娘」 (Vol.1, 091右)みゆきさんの眼鏡をはずす話。
前のすいか割りの話と順序が変更。 「ちがうんです」 (Vol.1, 092) ダンナが単身赴任で…の話。多少、黒井先生の話が拡張あり。「夏の夢」 (Vol.1, 092) 家族連れの姉妹と思われてるの話。原作まま。
海の家以降、Aパート終了までオリジナル展開。原作10話消費。
Bパート。風呂の話から、帰りつくまでは完全オリジナル。
「いつも限定」 (Vol.1, 078) コンプ祭の話。原作まま。「戻る時間過ぎる時間」 (Vol.1, 095) 片付けは進んでいるのかなの話。会話はオリジナル。
姉さんからもの押し付けられる話はオリジナル。「オフェンシブイメージ」 (Vol.1, 095) なんでもズバズバ捨てそうの話。原作まま。「思い出の箱庭」 (Vol.1, 096) 母校に置いてきたよの話。原作まま。「ノリで生きる」 (Vol.1, 096) 必要なものまで、捨てちゃいそうよねの話。原作まま。「押して駄目なら」 (Vol.1, 097) みゆきさんのお母さんが出て来た話。原作まま。原作6話消費。
第6話で、原作16話消費。
らっきー☆ちゃんねる、163秒。
この記事に対するコメント
荒谷さんに関しては、以前AIRについての
インタビュー番組で
「(作画だけではなく)演出等の仕事も手掛けてみたい」と
おっしゃっていた記憶がありますので
今回の起用はその一環なのかな、などと思いました。
ほかにも山本氏の監督起用とか、今作に関しては
いろいろとスタッフ育成の為の実験的要素が
微妙に感じられる気もします。
しかしあのお風呂での「身だしなみ」に関する
“女の子”会話w、やはりアレは女性でないと
なかなか書けない脚本ではないでしょうかw
荒谷さんは、AIRの頃からそんなことをおっしゃってたというのは知りませんでした。
確か、荒谷さんは、何か、京アニ関係のものに、マンガを書いてらしたらしいと、記憶がありますので、それなりの素養は持ってらっしゃると思っております(私の記憶があやふやですが…)。ですから、本文中で、荒谷さんの力を疑うかのような書き方(と、とられても仕方がないような書き方)をしてしまったことは、ちょっと反省しております。私は、本当に面白い脚本をお書きになったと思っております。女の子会話を含めて(男のひとがあの脚本書いたら、ちょっとイヤかも…w)。
確かに、らき☆すたでは、何か教育的な人事を確かにしてきてますね。
では、また。
今回、こなたが「てぃもて〜」とやったり「すけきよです」と言って、他人の反応を期待したのは、寂しかったからではないでしょうか?
次回予告を観ると、こなたはかがみにベッタリです。
僕は、こなたは『私の話を聞いて欲しい』と考えている女の子だと思います。
こなたには、母が居ません。どんなに『寂しくない』と言っていても、やはり父娘2人暮らしは寂しいと思います。
そんな彼女が大家族で暮らしている、かがみやつかさ・姉のようなみゆき、黒井先生とゆい姉さんという『家族』で、旅行に行く事は初めての事なのではないでしょうか?
だから、普段よりテンションが上がって、あんな行動に出たのだと思います。
そうなんですよね。最近、私もそう思うようになってきましてですねぇ、困ってます。
困るもんでもないのですが…「こなたはさびしんぼ」という考えを書いていいのかどうか判断がつかなくて……。そう思っていながら、自分の中で、きっちりと整理できていないんです。
……でも、こなたの家って幸せそうですよね。第7話の私の感想では触れなかったんですけど、こなたの「うちは、みーんな、鶏肉好きっ。」っていう台詞。父と娘二人だけなのに「みーんな」も無いだろうって思うんですけど、迷いもなく、嬉しそうに言うこなたの台詞から、本当に幸せそうなんだなぁって思ってしまいました。
かがみ、つかさの家は、まぁ、普通かなと…。で、一番、判断に困るのが、みゆきさんの家……。みゆきさんの家って、ほら、お母さんがアレじゃないですか。だから…不遇なのかなぁって思ってしまうんです。ふぐぅっ。今度、みゆきさんのお母さんのアレっぷりが出てきたときにでも考察しようかなぁって思ってます。